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ブログ「ITコスト削減と価格交渉の勘所」
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2012年10月

システムの規模とコストの関係を数式化する

 前回はシステムのコストを決める主な要因はシステムの規模であるという話をしました。システムの規模がコストを決める要因だとすると、システム規模とシステムのコストには相関関係があるということになります。  相関にもいろいろありますが、数学的にまずイメージしやすいのは「単純比例」という関係でしょう。この場合には、規模が2倍になればコストも2倍ということになります。また指数関数的な増加を示す可能性もありますし、それ以外の関数が適用できるのかもしれません。 いずれにせよ、コストと規模に相関があるのだとすると、両者の関係がどのような関数で表されるのかということが極めて重要になってきます。  次に重要となってくるのは、関数を変化させるパラメータです。単純比例の関数を例にとってみると、規模が2倍になればコストも2倍だったものが、別な条件下では規模が2倍になるとコストが4倍になっているかもしれません。比例の関数では係数が1から2に変わったことになります。 問題は、このようなパラメータがいくつ存在し、どのような環境のときに、パラメータがどの程度変化するのかという点です。これが分かると、同じようなシステムであっても、置かれている環境によって価格が大きく変化するという現実をうまく説明できるからです。  整理すると、システムのコストを理論化するためには、まず規模とコストがどのような関係性にあるのか(どのような関数で表現できるのか)を明らかにする必要があります。続いて、その関数を変化させるパラメータを探し出します。  こうして導き出された数式にシステムの規模を当てはめたとき、その結果が実測値の一定範囲に一定の確率でおさまっていれば、その数式はモデルとして有効と判断することが可能となります。

システムのコストは何で決まるのか?

 システムのコストを決める要因はいろいろありますが、多くの人は、「いろいろあるからよく分からない」と諦めてしまっています。  ですが、同じ「いろいろある」でも、コストを決定する極めて大きな要因が存在するのか、それともそのような要因は存在しないのかで、意味はまったく異なってきます。  システムのコストを決定する大きな要因が存在せず、小さな要因がたくさんあるのだとすると、システムのコストは数学的にランダムな値を取ることになります。このことについては多くの人が異論を挟むことでしょう。ある時100億円と見積もられたシステムが、ある時には100万円になることは決してあり得ないからです。  つまり、「いろいろある」と言ってはいるものの、多くの人が、システムのコストを決定する極めて大きな要素が存在することを認めているのです。そうです。それはシステムの「規模」なのです。  100億円のシステムが1000行や2000行のコードで記述されているわけがありません。100億円のシステムは規模が大きいのです。これに対して、1000万円のシステムは規模が小さいのです。  当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、ソフトウェア工学を考える上で、この事実は極めて重要です。システムのコストを決める極めて大きな要因は「規模」なのです。すべてはここからスタートしなければなりません。

はじめに

 情報システムのコストはよくブラックボックスといわれます。  同じシステムを複数のベンダーに発注すると、安いものは2000万円という見積もりなのに、高いところでは1億円もの値段になっていたりします。 ハードウェアであれば、同じようなスペックのものはだいたい同じ値段になるのが普通ですが、ソフトウェアの世界ではそれが通用しないのです。こういったことが、システムのコストがブラックボックスといわれるゆえんでしょう。  同じシステムを作るのにどうしてこのように大きな値段の差が生まれるのか、実は提案する側のベンダーもよく理解していなかったりします。状況によって実際にかかるコストが変わることがよくあるからです。  では本当にシステムのコストはブラックボックスで、事前に予測したり、見積書の価格が妥当なものなのか評価する手段がないのでしょうか?  そんなことはありません。システムのコストを客観的に評価する手段は存在します。  私どもは、これまで情報システムの経費を評価する専門コンサルタントとして、3000件近くのシステムの経費を評価してきました。その豊富な経験から分かったことは、やり方さえ間違わなければ、システムのコストは正しく評価できるということです。  本ブログではこのあたりの話をしていきたいと思います。システムの見積もりに納得していないユーザー企業の方はもちろん、説得力のある見積もりを作成したいと思っているベンダーの方にも必見です。  ぜひお付き合いください。

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