DCF法を情報システムに適用するにあたっての主要な問題のひとつが、初期投資額の不確実性といえるでしょう。
 通常の投資プロジェクトであれば、1億円の投資で得られるものはほぼ決まっているので、投資金額自体が変化することはないと想定して計算を進めていきます。しかし情報システムの場合には、初期投資金額自体に大きなブレがあります。当初は1億円と思っていたものが、実際に作ってみたら3億円だったということがザラにあるのです。1億円で投資対効果がプラスと判断していたのに、実際には3億円というのでは話になりません。
 DCF法をうまく適用させるためには、1億円は1億円で確定できるようする必要があるのです。

 情報システムの初期投資額が大きくブレるのは、ソフトウェアの生産性にばらつきがあるからです。生産性が低いチームと高いチームでは最大6倍近くの差がつく可能性があります。弊社には3000件近いシステム・コストの評価実績がありますが、同一条件であっても6倍近く生産性が異なる事例が見られます。

 しかし初期投資額のブレというものは、システムの規模を事前に特定し、開発にあたるチームの生産性を正しく評価することではるかに正確に予測することができるようになります。どのような条件の時に生産性がどの程度上下するのかというメカニズムは相当な水準まで解明されてきています。正しく事前評価をすれば、1億円が3億円になってしまうようような事態は避けることができるのです。

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