売上げや利益といったマクロ的な企業業績とシステム経費の関係は、会社のビジネスモデルによって大きく異なってきます。このため、まったく関係ない業種の会社や全体の平均値と比較してもあまり有益な情報は得られません。

 同じ業種の中でベンチマーキングを行えば、相対的な状況は理解できるかもしれません。ですが、日本ではベンチマーキングを積極的に行う習慣がなく、これを実施できるのは珍しいケースかもしれません。

 当社もベンチマーキングを依頼されることがありますが、複数者の同意が得られずなかなかうまくいかないケースも多いのです。
 ひどい場合になると、自社の情報は提供しないが、他者のベンチマーク結果を売ってほしいなどという要求もあります。情報を提供しない会社に対してベンチマーク結果を開示してよいという契約に同意する会社などあるはずがないことくらいくらい容易に想像できると思うのですが、実際にあった話です。

 米国ではベンチマーキングは比較的メジゃーな手法ですが、コミュニケーションの概念が希薄な日本と、論理的で双方向的な米国の企業風土をよく示す事例といえます。

 それはともかく、全社的な経営指標がまったく使い物にならないかというとそうではありません。自社のIT経費の指標がどのように変化したのかを知ることで、隠れたIT経費の基準を明確化することができます。
 つまり過去のIT投資の意思決定は、明確な基準がなくても、何らかのマクロ的な指標と関連している可能性が高いのです。
 マクロ関連指標には以下の4つの方向性でグループ分けできます。
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 ①資産全体とのバランス
 ②利益・経費とのバランス
 ③前年とのバランス
 ④その他指標とのバランス
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 個別指標は以下のようになります。重要なのは絶対値ではなく変化とその理由です。
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