システムの信頼性について議論するためには、まずシステムの信頼性についてきちんと定義しなければなりません。
 IT業界は非常に言葉が乱れていることで有名です。「信頼性」という言葉に加えて似たようなニュアンスで「可用性」という言葉も使われています。困ったこ とに、これを使っている技術者がその意味を知らないでしゃべっていることも多いのです。これではまともに議論などできるはずがありません。

 このほかにもIT業界には意味不明の外来語が氾濫し、正確な定義がなされないままテキトーに使われています。IT業界が他の科学技術分野に比べて一段低くみなされがちなのは、こういった言葉使いのテキトーさが大きく影響していると思われます。

 この件に限ったことではありませんが、システムは「テクノロジー」なので抽象的な表現は必要ありません。システム会社の担当SEに対して何か質問して、抽象的な返答しか帰ってこないようなら、その SEの能力を疑った方がよいでしょう。

 話がそれましたが、信頼性は通常、MTBF(平均故障間隔)で表されます。故障する間隔が長ければながいほど信頼性が高いという意味です。可用性は通常、稼働率で表されます。理論的に設定された稼働時間のうち、実際何%稼動させるかという指標です。100%に近い方がよいシステムです。ちなみに可用性という正式な日本語はありません。英語のavailability の当て字です。

 信頼性が高いシステム、あるいは可用性が高いシステムが高価なのかという議論は、価格とMTBFに相関があるのか?価格と稼働率に相関があるのか?という論点で検証を進めなければなりません。
 具体的には、MTBF性能を向上させるためには何をしなければならず、それがコストにどのように跳ね返ってくるのかを明確にする必要があります。同じように稼働率を高めるためには何をしなければならず、それがコストにどのように跳ね返ってくるのかを明確にしなければなりません。

 発注者は必要となるスペックをきちんと要求する権利がありますから「ウチのシステムは信頼性が高いのでコストがかかるんです」などとテキトーなことを言っているシステム会社には、きちっとした科学的、技術的な説明を求めることが大切です。

→次回に続く

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