前回、オープン化が進んだ現在でもソースコード行数は有効な指標であると説明しましたが、プログラマの個人差は影響しないのでしょうか?
 つまり能力が高いプログラマやSEがシステムを開発するケースと、そうでないケースでは、同じ機能でありながらコースコードの量が異なってくるのではないかという問題です。当然、能力の低いプログラマやSEからなるチームではコードの総量が多くなり、割高になるではないかと懸念されます。

 確かにプログラマの力量と開発生産性には大きな相関があります。弊社のテストでは高い能力のチームと低い能力のチームでは生産性に6倍もの差が開きます。また能力の高いチームでは、場合によっては50%程度コードの量を少なくすることが可能です。

 ですが実際に開発に従事するチームでそこまでの差が開くことはほどんどありません。特定のチームだけに優秀なSEやプログラマを集中させることは、現実のオペレーションを考えると不可能だからです。

 日本のシステム会社は欧米に比べると定着率が高く、年功序列型です。しかも新卒採用の割合が高いのが特徴です。新卒時には適性がどの程度あるのかは分かりませんから、どのチームに優秀(将来優秀になる)なSEやプログラマがやってくるのかについては数学的にランダムになります。
 若手は経験が浅く、ベテランになるほど経験値が上がってきますが、ベテランは一定割合でチームから去り、一定割合で新人が入ってきます。
 結局のところ、チームの能力は上下のブレはありますが、一定の範囲に収斂していくことになります。

 ということで、発注するベンダーの人的な能力はマクロ的には常に平均値水準であると考えて問題ありません。もちろん中にはシステム会社の総力をあげて取り組む案件というものがあり、そこには優秀な人ばかりが投入されるという特殊なケースもあることでしょう。ですが、そのようなプロジェクトはごく稀にしかありません。

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